本ページでは、レコード針(カートリッジ)の付属品もしくは本体部分の機構のひとつであるスタイラスカバー(針カバー)についての解説(MC型編)を前ページに引き続いて行います。
最初にスタイラスカバーの概要を述べた後に、この『アナログオーディオ大全』の他ページや弊社公式Youtubeチャンネルも交えて具体的な内容をお伝えします。基礎的な内容の解説ページもございますので、先に「カートリッジについて Vol.1 基礎編」のお目通しをお勧めします。
スタイラスカバーについての概要や、MM型・DJ用カートリッジについての解説は前ページで行っておりますので、併せてお目通しください。
オルトフォンのMC型カートリッジのエントリーモデルであるMC Qシリーズは、ステレオ再生用の4機種にモノラル再生用の1機種を加えた、全5機種のラインナップを揃えています。
そしてMC Qシリーズの5機種はハウジングの形状が共通につき、スタイラスカバーも同様に5機種とも共通です。
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オルトフォンのMC Windfeld Tiは、オルトフォン創立80周年を記念して1998年に発売されたMC Jubileeを始祖とするラインナップの最上位モデルに当たります。
MC Windfeld Tiは、カートリッジボディ中央のメインフレームがSLMを用いたレーザーによるチタン粉末の立体造形となり、様々な新機軸の技術を採用した新時代のカートリッジとはなっていますが、ボディの形状はMC Jubilee(下の写真)と共通です。そのため、MC Jubilee、Windfeld(初代)、Windfeld Tiのスタイラスカバーも同じく共通規格品となっています。
そして、Jubileeと同時代に発売されていたMC Kontrapunktシリーズもまたボディ形状は共通でした。そのため、この後継シリーズとなったMC Cadenzaシリーズの5機種もまた、スタイラスカバーの形状は共通です。
MC JubileeおよびMC Windfeld/Kontrapunkt/Cadenzaシリーズのスタイラスカバー単体の入手を希望される場合は、下記リンク先の弊社公式オンラインショップをご利用頂くか、弊社製品お取扱いの販売店様経由でお取り寄せを依頼されることをお勧めいたします。
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先に述べたMC Windfeldシリーズのメインフレーム部分を更に改良し、完全なモノコックのハウジングへと昇華させたのがMC A90、A95、A Monoです。
独特な形状をもつ本シリーズのスタイラスカバーもまた専用品であり、下図に描かれた通りに外す必要があります。
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MC Xpressionは、カートリッジのハウジングとヘッドシェルがSLMによって一体造形されたモデルです。そのため、本機も専用のスタイラスカバーを備えており、他機種との共用は考えられておりません。スタイラスカバーを外す際は、下図に描かれているようにまっすぐ前方向に向けて外す必要があります。
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MC Verismoは、先に述べたMC A95のハウジングに設計変更を施し、ダイアモンド・カンチレバーを採用したモデルです。そのため、本機も専用のスタイラスカバーを備えており、他機種との共用は考えられておりません。スタイラスカバーを外す際は、下図に描かれているようにハウジングの角度に合わせ、斜め下方向に向けて外す必要があります。
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オルトフォンの歴代フラッグシップモデルであるMC Anna/Diamondシリーズは、ハウジングが全て同一形状となっています。
そのため、同一シリーズ間であればスタイラスカバーの互換性があります。SLMによって立体造形されたハウジング正面は半球形に近い形状となっているため、スタイラスカバーもこれに合わせてカップ状となっています。
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「オルトフォンといえばSPU」とも称されるほどにアイコニックな存在となっているSPUシリーズは、一般的なカートリッジでは本体部分にあたるユニットを収めたヘッドシェルの形状でGタイプとAタイプ、また通常のヘッドシェルに取り付けるためのNタイプに大別されます(下の写真参照)。
このうち、Gタイプシェルを用いたモデル用のスタイラスカバーが下の写真に挙げたもので、全てのGタイプシェルに共通して使用することが可能です。
なお、Gシェル用のスタイラスカバーにはヴィンテージ製品を中心にGシェルの底面全体を覆っているタイプのものも存在しますが、1990年代初頭に仕様変更が行われ、それ以降は現在のスタイラスカバーが使用されています。
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※補足:SPU Aタイプシェルのスタイラスカバーについて
2000年代後半に生産終了となったSPU Aシリーズには、かつて純正のAタイプシェル専用のスタイラスカバーが存在していました。
このカバーは近年まで部品在庫が存在していましたが、この度完売となり取扱いが終了しました。Aタイプ用のスタイラスカバーの再生産が行われる見通しは現状では無いため、新規でAタイプシェル用スタイラスカバーをご希望の場合は、代用品としてGタイプヘッドシェル用のカバーを使用されることを推奨します。
なおAシェル使用モデルのうち、SPU Wood A(生産完了)のみ他のAシェルモデルとは異なる本機専用のスタイラスカバーを採用しています。
SPU Wood Aは他のAシェル使用モデルとはシェルの寸法が異なるため、専用スタイラスカバー以外のカバーを使用することは不可能です。先に述べたGシェルカバーの併用も不可能ですので、十分にご注意ください。