ortofon JAPAN CO,LTD.

アナログオーディオ大全

2024.02.01
アクセサリー
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レコードスタビライザーとその使用方法について

本ページでは、レコード針(カートリッジ)を用いる際に使用する、レコードスタビライザーについての解説を行います。

最初にスタビライザーについての概要を述べた後に、この『アナログオーディオ大全』の他ページや弊社公式Youtubeチャンネルも交えて具体的な内容や使用方法をお伝えします。

なお、カートリッジそのものについての基礎的な内容の解説ページもございますので、先に「カートリッジについて Vol.1 基礎編」のお目通しをお勧めします。

スタビライザーとは

スタビライザー(英:Stabilizer)は、日本語で「安定させるもの」という意味をもちます。機械部品におけるスタビライザーは自動車のサスペンションパーツや、カメラ撮影時の手振れを抑える機器を指す場合もありますが、ここではレコード盤を密着させるためのアクセサリーについて解説してゆきます。

オルトフォンのRecord stabilizer

レコード用のスタビライザー(以下スタビライザーと記述)は、レコード盤の再生時にプレーヤーのセンタースピンドル(レコード盤やスタビライザーを挿すための軸)に装着し、その自重でレコード盤をプレーヤーのプラッター(レコード盤を載せる回転部分)に密着させたり、盤の反りを修整するアクセサリーです。

レコード盤がプラッターに密着すると、回転時に盤の細かな滑りが無くなることでレコード盤とプラッターの回転がより精密に同期されます。また、盤の反りはレコード盤を再生するレコード針(カートリッジ)の動作不良の原因となり、音質劣化の原因ともなりますのでスタビライザーを使用するなどの対策を行うのが望ましいところです。

そして、スタビライザーの使用はプラッターの実質的な質量(≒重さ)増加にもつながるため、慣性のはたらきにより回転が安定するという効果も期待できます。


スタビライザー使用時の注意点

スタビライザーの使用に際しては、いくつかの注意点があります。

特に下記の三点については、未確認のままスタビライザーを装着するとプレーヤーの動作不良などを発生させる可能性もありますのでお目通し頂くことを推奨します。


Ⅰ.レコードプレーヤーの重量を確認する

レコードプレーヤーのうち、プレーヤー自体が軽量な製品はスタビライザーを載せるとプラッターの耐荷重をオーバーし、回転ムラが発生するプラッターが停止してしまう恐れがあります。また、このようなプレーヤーに無理にスタビライザーを使用すると、プレーヤーの回転機構や動力伝達のベルトにダメージを与える可能性がありますのでご注意ください。

このような事態を避けるためには、製品の取扱説明書に書かれたプレーヤー本体の重量を確認することも一つの目安となります。レコードプレーヤーの本体重量が3~4kg程度の場合、その中でプラッターの重量が占める割合は大きくとも半分程度と思われます。このようなプラッターを回転させるための軸受やモーターは相応に軽量化が図られていたり、回転トルクなども最適化されている場合が大多数につき、先に述べたような重量級のスタビライザーを使用して想定以上の負荷をかけると正常動作が望めない可能性があります。

よって、レコードプレーヤー本体の重量が3~4kg程度までの製品にスタビライザーを使用する際は、なるべく軽量なスタビライザーを用いるか、プレーヤーの製造メーカー様にスタビライザーの重量をお伝えの上、動作に支障が無いか確認されることをお勧めします。

15kgのプラッターを備えた、独Acoustic Solid社のSolid Royal

反対に、プラッター重量だけで5kgを超えるようなベルト/糸ドライブのプレーヤーや、強力なモーターを備えたダイレクトドライブ方式の上位機種の場合は、相応に強固な構造とハイパワーなモーターを備えているため、300gを超える重量級のスタビライザーを使用しても差し支えはありません。


Ⅱ.レコードプレーヤーのセンタースピンドル長を確認する

レコードプレーヤーのセンタースピンドル

レコードプレーヤーによっては、センタースピンドル(レコード盤やスタビライザーを挿すための軸)が長いものがあります。

多くのプレーヤーではプラッター天面からスピンドル先端までの長さが14~15㎜程度のものが多数を占めますが、一部の製品ではこの長さが20㎜を超えるものもあります。スタビライザーによっては、デザインや仕様上の制約によりスピンドルを挿す穴の深さが18㎜程度(例:オルトフォンのRecord stabilizer)の製品も存在します。このような長軸のスピンドルを備えたプレーヤーをご使用の場合は、ターンテーブルシートの厚さを変更するなどしてスタビライザーが浮き上がってしまわないように調整する必要があります。

Ⅲ.レコードプレーヤー本体の制振方式を確認する

レコードプレーヤーによっては、プレーヤー本体部分(キャビネット)にバネ(スプリング)を使用した制振機構を採用しているモデルがあります。これをフローティング型プレーヤーと呼称しますが、このようなプレーヤーに追加の荷重としてスタビライザーを載せると、スプリングの復元力が変化してしまい本来の能力を発揮することができなくなる可能性があります。そのため、フローティング型プレーヤーにスタビライザーを使用する際は、取扱説明書に沿った調整を行うか、使用の可否をプレーヤーの取り扱いメーカー/代理店様にお問い合わせ頂くことを推奨します。

Ⅳ.ダストカバーの高さを確認する

一般的な形状のレコードプレーヤーには、アクリルやガラスなどでつくられたゴミ・ホコリ避け用のダストカバーが備えられています。これは通常、レコード再生時は外すか開けていることが多いですが、再生中もダストカバーを載せたまま、もしくは閉めて使用する場合はスタビライザー装着時にダストカバーの内側が接触しないかどうかをチェックする必要があります。ダストカバー内側とスタビライザーが接触した状態でプラッターを回転させると、回転不良やダストカバーを傷つける原因ともなりますので十分にご注意ください。

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