ortofon JAPAN CO,LTD.

アナログオーディオ大全

2022.03.14
初級編

レコード再生時の音かすれ・途切れへの対処について

本ページでは、レコード針(カートリッジ)の音がかすれる、途切れるなどの場合の対処方法についてご説明します。

カートリッジの使用時、実際に発生しうる症状をいくつかのパターンに分け、弊社公式YouTube動画も交えて具体的な対処方法をお伝えします。

レコード再生時に音楽が断続的にかすれたり、または途切れたりする場合は、まず最初に下記に記された内容を試してください。多くの場合は、下記3パターンの対処を行うことで解決します。

Ⅰ.カートリッジ針先のクリーニングを行ってみる

再生時に音がかすれる、または途切れるという症状が出た際は、スタイラス部分にゴミやホコリが溜まり、正常に音溝から音声信号をピックアップできていないことに起因するものが多数を占めます。その場合は、基礎編「レコード針の針先クリーニングについて」や下の公式YouTube動画をお目通しの上、針先のクリーニングを行ってください。特に、目視でも分かる程度に目立つ大きさの、大きなゴミやホコリが針先に付いている場合は、ほぼ間違いなくこれが原因です。

針先クリーニング時の注意点として、オルトフォンのカートリッジに対しては湿式クリーナーの使用を控え、乾式ブラシのみを使用してください。湿式クリーナーの使用は針先破損やダンパー劣化の原因となり、これに起因する製品破損は保証の対象外となります。

なお、必然的にレコード盤面に直接触れることが多いDJプレイに使用されるカートリッジは、特に針先にゴミやホコリが付きやすくなります。これらを放置するとプレイ時の針飛びや音飛びにつながる可能性があり、更に針や盤を傷めやすくもなります。そのため、プレイ終了後は必ずブラシで針先をクリーニングすることをおすすめします。


Ⅱ.適正な針圧か、トーンアームを確認する

針先クリーニングを行っても音のかすれ、途切れが改善されない場合は、カートリッジの針圧チェックを行ってみましょう。特に音がかすれたり途切れたりする場合は、カートリッジの適正針圧よりもトーンアーム側で設定している針圧が軽くなってしまい、上滑りしてしまっている可能性があります。下の公式YouTube動画を参考に、トーンアームの針圧を再設定してみましょう。


また、カートリッジにかかっている針圧を実際に計測する機器として、デジタル式の針圧計(例:オルトフォン DS-3)があります。可能であれば、このような針圧計を用いて針圧を計測してみましょう。お手元のカートリッジの針圧が適正針圧から1g程度、もしくはそれを更に下回っている場合、音のかすれや途切れにつながる可能性が高まります。また、カートリッジにかかっている針圧が適正針圧を遥かに超えている場合も、音のかすれやビリ付き・割れ(後述)につながる恐れがあります。


Ⅲ.トーンアームのリフター位置を確認する

針先クリーニングや針圧確認を行ってもなお、音のかすれや途切れが改善しない場合はトーンアームのリフター位置を確認してみましょう。トーンアームのパイプを上下に動かす弓形、もしくは横棒形のリフター(上図)は、リフターレバーを上下させることで連動します。この際、リフターの位置が高すぎるとリフターレバーを降ろしてレコードを再生していてもアームパイプにリフターが当たり、針先が適切に音溝に当たらない可能性があります。音のかすれや途切れが発生した際は、アームリフターの高さ位置を調整してみることも一つの方法です。


最後に、オルトフォン製品をご使用で、かつ本ページを読んで対応策を施しても状況が改善しない場合は、弊社お問い合わせフォームよりご質問下さい。担当者より折り返しご連絡させて頂きます。

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