ortofon JAPAN CO,LTD.

アナログオーディオ大全

2022.03.28
基礎編

MM型カートリッジの針先(スタイラス)交換について

本ページでは、MM型のレコード針(カートリッジ)の針先(スタイラス)交換についてを弊社公式YouTube動画も交えてご説明します。

なおMC型カートリッジの針交換については、次ページの「MC型カートリッジの針(ユニット)交換について」をお目通しください。

Ⅰ.MM型カートリッジの構造について

針先交換の方法を述べる前に、まずはMM型カートリッジの構造をオルトフォンの製品を例として解説します。MM型は、上に挙げた2つの図が示すようにスタイラスチップが付いたカンチレバーの根元に永久磁石(マグネット)が取り付けられ、針先であるスタイラスチップがレコード盤の音溝をなぞる(トレースする)とマグネットが動く構造となっています。

故に、この型式はMM=Moving Magnet(ムービング・マグネット)型と呼ばれます。

またMM型の特徴として、スタイラスチップカンチレバーダンパー・マグネットを含む振動系部分(上図参照)と、発電コイルが納められた磁気回路(上図の銀色のシールドケースに納められた部分、発電系とも称される)部分を構造上、分割することが可能という点が挙げられます。これはつまり、カンチレバーを折った等の破損時、振動系部分が組み込まれた針先のユニット(下の写真、オルトフォンでは「Stylus、スタイラス」と呼称。一般的な呼称は「交換針」)を交換することができるということです。

MC型と異なり、MM型の場合はユーザー様ご自身が、お手元で針先交換を行うことが可能です。


そしてMM型のもう一つの特徴として、本体部分が同じ形状・仕様のカートリッジ同士であれば、針先を挿し換えることで手軽にアップグレードを行うことが可能な製品も存在することが挙げられます。オルトフォンのMM型、2Mシリーズではカートリッジ本体に3種類のバリエーションがあり、その中で針先を挿し換えることが可能な組み合わせが数パターン存在します。これについては後で詳しく述べます。


Ⅱ.針先(スタイラス)交換の方法

先に述べた通り、MM型カートリッジは針先(スタイラス/交換針)をご自身で交換することが可能です。

針先交換に際しては、カートリッジをご購入された、もしくはお近くのオーディオ店様などでスタイラス(交換針)をお買い求めの上、(オルトフォン 2Mシリーズの場合は)下の公式YouTube動画を参考にしてスタイラス交換を行ってください。

なおスタイラス交換を行う際は、ヘッドシェル脱着が可能な場合は一旦トーンアームからヘッドシェルを外した上で作業を行うことを推奨します。シェル一体型のトーンアームの場合は、アームに過大な力をかけて破損させることが無いよう慎重に作業を行ってください。

そして、ヘッドシェルやスタイラスの脱着を行う際は、必ずアンプの電源を切るかボリュームを絞りましょう。脱着時にはショックノイズが発生するため、ボリュームが上がった状態で行うとノイズでアンプやスピーカーを破損させる可能性があります。

また、オルトフォンの2Mシリーズは針カバーがスタイラス部分と一体化するようなデザインとなっています。針カバーの外し方については、下の動画も併せてお目通しください。

Ⅲ.針先交換による2Mシリーズのアップグレード

上の動画(英語)では、2Mシリーズの2M Red・2M Blue・2M Bronze・2M Blackについてご紹介しています。この4機種はオルトフォンのステレオ仕様MM型カートリッジとしてシリーズの中核を担う存在であり、更にモノラル仕様の2M Monoと2M 78、シリーズのフラッグシップモデルとなる2M Black LVB 250の合計7機種がラインナップされています。

本項冒頭で述べた通り、2Mシリーズは共通仕様のカートリッジ本体同士であればスタイラスを交換することが可能です。その組み合わせについて、以下に述べてゆきます。

ⅰ.2M Red ↔ 2M Blue

2Mシリーズのエントリーモデルである2M Red2M Blueは、本体部分の仕様が側面のロゴカラーを除いて共通につきRed↔Blueの間でスタイラスに互換性があります。

スタイラス部分を接合楕円針のStylus 2M Redから無垢楕円針のStylus 2M Blueにアップグレードすることで、ボディはRedのままで2M Blueとなって解像度やレンジ感の向上がみられます。もちろん、スタイラスをRedに戻すとそのカートリッジは2M Redになります。

ⅱ.2M Bronze ↔ 2M Black

2Mシリーズの上位モデルである2M Bronze2M Black(および2M Black LVB 250)と本体側面のロゴを除いて仕様が共通のため、交換用スタイラスとなるStylus 2M Blackに挿し換えることでアップグレードを行うことが可能です。

ファインライン(下図左、高性能化された楕円針の一種)のBronzeと、シバタ針(下図右)のBlackはそれぞれに魅力がありますが、Bronzeを更に高解像度、ワイドレンジとしたい場合は針先をStylus 2M Blackに交換することも一つの方法です。

ⅲ.2M Bronze ↔ 2M Black LVB 250

先に述べた通り、2M Bronze2M Black2M Black LVB 250の本体は側面のロゴを除いて共通です。このため、既にBronzeもしくはBlackを使用している場合、針先を交換用スタイラスであるStylus 2M Black LVB 250に挿し換えることで、オルトフォンの上級MCカートリッジであるMC Cadenza Black(下図左)同様のボロンカンチレバー/シバタ針を用いた、フラッグシップMMカートリッジにアップグレードすることができます。

また、2M Black LVB 250ではMWCNTを用いた新世代のダンパーゴムを採用していますが、MMカートリッジのダンパーはこのスタイラス部分に組み込まれています。そのため、スタイラス交換を行うことで仕様上は完全にLVB 250となります。

ⅳ.2M Mono ↔ 2M 78

モノラル仕様のMMカートリッジである2M Mono2M 78は、本体は完全に共通で互換性があり、スタイラス(上の写真参照、Mono:白/78:グレー)を差し換えることで容易にそれぞれの仕様に変更することが可能です。

なお注意点として、2M Monoのスタイラスチップは下図左にある0.7ミルの丸針(下図右)ですが、2M 78は蓄音機などでも使用する78回転のSPレコード専用の2.5~3ミルのスタイラスチップ(下図左、赤線部)を使用しています。そのため、2M 78およびStylus 2M 78は一般のLP・EPレコードでの使用は不可能です

最後になりますが、MM型カートリッジの針先交換を行う際はお手持ちのカートリッジに対応した純正のスタイラス(交換針)を販売店様経由でお取り寄せ、もしくはご購入頂いた上で針先交換を行ってください。

また、オルトフォン製品に関する内容で本項についてのご質問をご希望の場合は、弊社お問い合わせフォームよりご質問下さい。担当者より折り返しご連絡させて頂きます。

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