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アナログオーディオ大全

2026.09.18
ケーブル
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オーディオケーブルについて Vol.2 基礎編Ⅱ

本ページでは、オーディオ機器を動作させるためのケーブル(オーディオケーブル)について解説してゆきます。

またレコード針(カートリッジ)やヘッドシェル、トーンアームなどのレコード再生用機器については、それぞれのリンク先をご参照ください。

また、レコード再生初心者の方は、最初に「はじめてのレコード再生・機材編」「はじめてのレコード再生・操作編 Vol.1」「はじめてのレコード再生・操作編 Vol.2」をお目通しされることをお勧めします。


オーディオケーブルの分類について

オーディオケーブルには様々な種類がありますが、基本的にはケーブルの「用途」「端子形状」「内部構造(配線)」で区分けすることが一般的です。このうち、用途については使用する場所(例:一般家庭、放送・録音スタジオ、屋外のライブ会場など)で分類したり、ケーブルを通す信号(例:アナログ、デジタル、フォノ信号など)の種類で分類する方法もあります。

これらの用途別に分類して解説した基礎編Ⅰもありますので、先のお目通しを推奨します。

なお、もう一つはケーブル両端に取り付けられている「接続端子の形状」で分類する方法があります。手持ち機器とケーブルの端子が適合しているかを確認する際などに、ケーブル端子の形状を理解しておくことで正しく接続することができます。

また、ケーブルによっては「内部構造(配線)」が異なるものもあります。これは用途・端子形状にも関わってくるお話であり、その点にも絡めながら解説を行います。

Ⅰ.端子形状からみたオーディオケーブルの区分け

ここでは、オーディオケーブルを端子(コネクター)形状別に分類してゆきます。様々な用途のケーブルで同じ形状の端子が使用されているケースもあり、これについてもあわせて解説します。

ⅰ:RCA端子を用いるケーブル

RCA端子を用いた、Ortofon Reference Blue RCA

RCA端子は米国の電気製品・通信・半導体メーカーであったRCA(Radio Corporation of America)が開発したもので、電気蓄音機での採用を端として今なお多くの音響機器に用いられています。敢えて大まかに区別するとすれば、このRCA端子は家庭用機器によく使われる傾向にあります。そのため、目にする機会の多いケーブル端子のひとつといえます。

また、この端子の用途は音響機器に限らず、テレビやゲーム機などの映像用ケーブルにも使用されています。かつては赤・白・黄の3色がセットになったRCAケーブルがよくみられました。

RCA端子を用いる家庭用オーディオ/映像ケーブルを用途別にまとめると、

①:アナログ音声信号を伝送するケーブル(色:赤・白・黒)

②:一般的な構造のフォノケーブル

③:同軸デジタルケーブル(色:橙)

④:映像コンポジットケーブル(色:黄)

が代表例として挙げられます(上記以外の用途に用いられることもあります)。このうち、紅白に色分けされたRCAケーブルはアナログ音声の伝送用(赤:右、白:左)としてよく用いられています。これは音響機器、テレビ、ラジオなどを問わず共通の規格として定められているため、RCA端子同士であれば機器を問わず接続することができます。


ⅱ:XLR端子を用いるケーブル

XLR端子を用いた、Reference Ag-505 XLR(生産完了)

XLR端子は米国のITT Cannonによって開発されたため、キャノン・プラグもしくはキャノン端子とも呼ばれます。この端子は端子を奥まで挿し込んだ際にロックが効く構造となっており、放送・音楽制作・屋外音響設備などの業務用機器における一種のスタンダードで、これらに用いる機器やマイクロホンなどで数多く使用されています。

また家庭用機器においては、XLR端子を用いたバランス接続(後述)は音質面で有利なため高級オーディオで多用される傾向にあります。

XLR端子を用いる家庭用オーディオケーブルの代表的な例を用途別にまとめると、

①:アナログ音声信号を伝送するインターコネクト(ライン)ケーブル

②:バランス伝送に対応したフォノケーブル

③:AES/EBUデジタル音声信号用ケーブル

が代表例として挙げられます。


ⅲ:フォーン端子を用いるケーブル

本来は手動式の電話交換台で使用するために開発されたため「フォーン端子」と呼ばれるこの端子は、現代では有線のヘッドフォン、イヤフォンもしくはマイクロフォン用ケーブルや、エレキギターやエレキベースとエフェクター、ギターアンプ間などの接続に使う楽器用シールドケーブルの端子として広く使われています。

ヘッドフォン、イヤフォンを除く家庭用オーディオ機器ではあまり使用例がありません。


ⅳ:フォノ5pin端子を用いるケーブル

フォノ5pin端子を用いた、6NX-TSW1010

フォノ5pin端子は、レコードプレーヤーとアンプの間を伝送するフォノケーブルの(事実上)専用端子です。時折DIN 5pin端子と表記されていることもありますが、現在主流のフォノ5pin端子とドイツの工業規格であるDIN(Deutsche Industrie Normen)5pin端子に互換はありません。

※なお、1970年代までのドイツを含むヨーロッパ製ヴィンテージプレーヤーやトーンアームには、フォノ5pin端子でなくDIN 5pin端子が使用されている例があります。


ⅴ:HDMI端子を用いるケーブル

HDMIは、音声と映像、機器間の制御信号を1本のケーブルで同時に伝送するために制定された規格です。現在では、テレビや映像用モニターと、ディスク/ストリーミングプレーヤー・PC・ゲーム機などの間の伝送にはこのHDMIケーブルの使用が一般的となりました。

また、近年ではAVアンプだけでなく純粋なオーディオ用アンプやD/AコンバーターなどにもHDMI端子が備えられたものも増えてきました。


ⅵ:USB端子を用いるケーブル

USB AおよびB端子を用いた、DGI-K2 Silver

USB端子は、PCやスマートフォン関連で主に用いられるデジタルデータ伝送と電源供給用のUSBケーブルに用いられます。規格が決まった当初はUSB-AとBが一般的に用いられていましたが、現代ではUSB-Cタイプが普及しています。その他、小型機器での使用に合わせてUSB-mini Bやmicro Bなどが規格化されていました。

オーディオケーブルとしては、PCオーディオでのPC→D/Aコンバーター間やSSD/HDDなどの記憶媒体ドライブ→PC間などに使用されます。

ⅶ:TOSLINK(optical)端子を用いるケーブル

TOSLINK端子を用いた、OPT-100

TOSLINK端子は、光デジタル音声信号の伝送用ケーブル専用の端子です。「TOSLINK」という名称は東京芝浦電気株式会社(当時、敬称略)の登録商標であり、規格としての正式名称は「EIAJ optical」となるため光端子、オプティカル端子などとも呼ばれます。

ディスク/ストリーミングプレーヤーやゲーム機、テレビとAVアンプの間や、ディスク用のトランスポートとD/Aコンバーター間などで用いられますが、映像関連機器においてはHDMIケーブルに統合されつつあります。


Ⅱ.内部構造(配線)からみた区分け

アンバランスケーブル(RCA、上)とバランスケーブル(XLR、下)

ここまで、オーディオケーブルを「用途」と「端子形状」で分類してきました。この他にもケーブルの分類方法を挙げるとすれば、内部構造と配線の違いが挙げられます。

オーディオ用途では、アンバランス(不平衡)接続とバランス(平衡)接続の2種類が主に使用されます。これらの構造と配線の違いについて、以下に解説してゆきます。


①:アンバランス接続ケーブル

上図はアンバランス伝送用ケーブルの内部結線例を示したものです。ケーブル両端にRCA端子や2極のフォーン標準/3.5㎜ミニ端子などを結線して使用されることが多く、民生用音響機器の音声用ケーブルの大半はこの仕様です。ケーブル内部の信号線は最低2本あればよく、信号線はHot(ホット)のみ、もう1本をGND(グラウンドあるいはアース)としています。

信号線の外側を覆う同軸の外部導体が設けられたケーブルの場合は、ここにGNDを落としてシールドとして使用することが一般的です。

ケーブルのシールドは接続された機器(例:プレーヤーとアンプ間など)のシャーシ(金属製のケース、筐体)に接続されますが、この状況下では送り線(接続先の機器に向けて出す信号を受け持つ線)のHotはGNDに落ちていないものの、帰り線(接続先から戻ってくる信号を受け持つ線)はGNDに落ちており、兼用となっているため送り線と帰り線で伝送の条件が異なり、いわばアンバランスな状態となってます。故に、この状態を指して「アンバランス伝送」もしくは「不平衡接続」と呼称されています。


②:バランス接続ケーブル

上図はバランス伝送用ケーブルの内部結線例を示しています。図1のアンバランス伝送とは異なり、信号線がHotとCold(コールド)に分けられています。信号伝送にHot・Cold・Groundの3本を要するため、オーディオ用途では一般的にXLR端子か、バランス接続用の配線が施されたフォーン端子が用いられます。

音声信号の送り線がHotであるのはアンバランス伝送と共通ですが、帰り線とシールドの役目を分割して帰り線をColdに受け持たせ、GNDにはシールドのみを受け持たせている点が異なります。送り線と帰り線の伝送条件が(基本的に)共通であるため、「バランス伝送」もしくは「平衡接続」と呼称しています。

バランス伝送はアンバランス伝送に比べて外部ノイズの混入に対して耐性があり、また長距離の信号伝送にも適しているため、電話回線や業務用の音響システムでよく使用されてきました。近年では民生用のオーディオシステムでも好んで使用されるようになり、ハイエンドなプレーヤー、アンプの信号接続ではバランス伝送を使用することが一般的となっています。

※バランス接続時の注意点

バランス伝送に用いるXLR端子の3本のピンには1番から3番までの番号が振られており、現在は2番Hot、3番Cold、1番GNDとするヨーロッパ式が主流となっています。オルトフォンのバランス接続対応製品も全て2番Hotとなっていますが、他社の一部旧製品を中心に3番Hot、2番Cold、1番GNDというアメリカ式のピンアサインも存在しますので、機器間の接続時には注意が必要です。

なお、アンプやラインケーブルの接続端子がXLRである=バランス接続であると考えがちですが、(例:2番Hotの場合)3番と1番を結線させることでアンバランス接続状態の信号伝送を行うことも可能なため、XLR端子を使用している機器=無条件でバランス伝送用という訳ではありません。(オルトフォンのXLR端子使用製品は全てバランス伝送用となっています)

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