ortofon JAPAN CO,LTD.

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2018.02.13
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NEW CONCORDE MKⅡ UNIVERSAL × Q'HEY

NEW CONCORDE MKⅡ UNIVERSALをDJがテストプレイ!


~Q'HEY INTERVIEW & IMPRESSION 「CONCORDE CLUB / DJ / MIX 編」~





●Q'HEY プロフィール


国内最長寿テクノパーティー“REBOOT”を主催する、日本を代表するテクノ・レジェンド


◎ コンコルドが一新しました。最初の印象はどうですか?

パッと見のルックスが親しみやすくなった感じですね。素材感とか色使いがキャッチーになって。以前のものは単色使いが多かったのでヴィヴィットだよね。


◎ 操作した使い心地はいかがでした?

フィンガーが平らに広くなったし、持ちやすくなったのと背面がざらついててすごく手に取りやすくなった。滑りにくいし、なんとなく前まではケアしながら優しく持ってたところを、クイッと気軽に扱えるようになりましたね。


◎ 更に改良ポイントでフィンガーが取り外し可能になりました。

そうだね。これ自体が折れてしまっても換えがきくようになったし、折れづらくなったよね。ちょっと曲げてもバネが効いて戻る感じ。前まではカッチカチで曲がらなくもないんだけど根本から折れそうな感じだったからね。これは現場でどうしてもクイックな動作が必要なときはほんと手に馴染みやすいし、スッと入っていける。ここ素晴らしいと思います。

◎ その他の新機能について、針先のクリック機能はいかがですか?

これもいいですね。これまでこういうクリックのついた交換針の仕様って他のメーカーにもなかったよね? 特にコンコルドは形状の仕様上、かなり重要なポイントだよね。本体も太くなって付け根から針先までは一緒なんだけど、ボリュームがでて安心感がでました。


◎ 交換針はどうですか?

交換針自体も大きくなったので掴みやすいし、針先のカンチレバーもちょっと太くなったし、明らかに旧モデルから大きさが増したよね。以前のものは小さい分、落としそうになったり、針に触れてグニュッと折れないよう最新の注意を払って交換しなきゃならなかった。特に現場で交換しなきゃならないときは暗かったり酔っ払ってたりしてたら難しかったけど、新しいのは大きくなって掴みやすいのと、横幅が広くなった分、誤って針の部分を触ってしまう危険性がかなり軽減されたね。

◎ 先ほどいろいろ出音を確認して非常におもしろかったんですが、音質はいかがでした?

そうですね。それぞれ特徴があって、僕はこれまでコンコルドエレクトロを使っていて普段のプレイはCDJとUSB使ったDJをするんですが、家では一切パイオニア製品を持ってなくて。テクニクスのタンテとベスタックスのミキサーで、ダンスミュージックを聴くときはオルトフォンとレコードなんです。昔はコンコルドゴールドを使ってましたね。その後エレクトロがでたときにテクノにはこれだなって思って、それ以降ずっと使ってましたよ。

先ほどエレクトロを軸にして新商品を聴きましたが、まずコンコルドクラブに関して言うと凄い上と下の出力が出ててとにかくアグレッシブ。


◎ これのアタック感が突出してますね。

そう。次にコンコルドDJなんだけど、クラブがアグレッッシブに対して若干ノーマルよりというか、より聞きやすくて扱いやすいかなと。スタンダードな印象でしたね。コンコルドMIXに関しては、もうちょっと更に1枚オブラートをかけた感じで。DJとMIXの差はそれほど大きく感じられなかったけど、クラブだけ明らかに違ったのでこれは本当現場仕様だね。現場のメインフロアで音を鳴らすときに機能するなと。ただラウンジだったり自宅だったりという用途であれば、DJの方が扱いやすいし出音もよりクリアというか聴きやすいですね。MIXに関しても全く遜色ないのでテクノやハウスにもオススメできます。


◎ 何か気づいた点とかありますか?

ちょっと面白いと思ったのがナイトクラブ2とクラブがどれだけ違うのかを検証して、傾向としては非常に近いところがあってクラブの方が更に前に出てきてるかなって。そこで面白かったのが、セッティングにもよるんだけどナイトクラブ2で一瞬ハウって聞こえる場面があってナイトクラブ2を使うまでハウリングに気づいてなくておかしいなと思い、他のものと差し比べてみてタンテ右と左でハウリングの周波数の出方も違ってたので両方で検証したところ新しいものに関しては一切ハウリングがなく、前のものに変えたらハウリがあると。


◎ 左右とも同じ現象が見られましたね。

これ新しいモデルに関してはハウリングに対しての耐性が非常に強いのかもと感じましたね。これって現場では非常に重要なことで、これを見た限りでは間違いなく新しいモデル一択だなと。間違いないなって思いましたね。自宅とかではなかなか検証しづらいところだし。


◎ 我々も新たな発見というか(笑)。非常に興味深い検証でした。

出音だけでなく現場にとって重要なところなんで、特筆すべき部分じゃないかなと。


◎ DJ以外の使い道はありますか?

さっきも言ったけど、家では聞くのがアナログなんでコンコルドDJがオススメなのと、ダンスミュージックとロック系両方聴く限り、ボーカルが入ってるものに関してもコンコルドDJの方が聞きやすかったね。


◎ クラブは圧が出てる分、上と下でボーカルがそれに包み込まれてる感じがありました。

そうそう。上と下が凄い出てるから中域の押しが引いてる部分があって、そこをフラットに聞かせてくれるのがコンコルドDJですね。



◎ オルトフォンとの出会いなど、またマイファーストコンコルドとのストーリーなど聞かせて下さい。

僕のオルトフォンとの最初の出会いは、もちろんコンコルドなんですよ。DJやってた最初の方はオルトフォン針じゃなかったんだけど、当時からオルトフォンは高級オーディオな印象で、コンコルドだとナイトクラブ登場からCLUBで使われていったんじゃないかと。


◎ 確かにナイトクラブ登場から現場のスタンダードになりつつありましたね。

やっぱりDJを始めた頃は、ナイトクラブはちょっと高嶺の花というか(笑)。


◎ お金に余裕がある人が買えた感はありました(笑)。当時はレコードにお金を費やすのがメインだったので。

交換針の消耗品のことを考えたらレコードの方にお金を使いたいというところで、、オルトフォンのコンコルドは自宅ではちょっと、って印象があったよね。値段も途中から落ち着いたのかな? 自分でコンコルドを手にするようになってからは、これオンリーです。


◎ 僕もQ'HEYさんと言えばオルトフォンヘビーユーザーって思ってました。

CLUBにあるのを使ったのが最初で、いいなコンコルドって。確かYELLOWだったかな? これ置いてるなと思ってなんかかっこいいし持ちやすいしで、これを触って針からレコードに置く動作がかっこよくて(笑)。凄い上がるというかプレイヤーとして触れるのが凄い嬉しかった。初めてコンコルドをレコードに置いたときのあの感動はなかなか何にも代えがたいものがあるよね。今はそういう感覚ってないよね。ターンテーブルは同じものみんな持ってるんだけど、これ置くとき大事に大事に曲げたり折ったりしたらいけないって緊張感とか現場の緊張感とかこの先に全てがあるんだっていうね。


◎ 昔って針を落とすバイナル文化だから一曲に対しての思い入れが強かったじゃないですか。12インチも両面で2曲だし1曲入魂のような。コンコルドを使うことによる贅沢感がありましたね。

そうだね。いろんな思い入れがあるね(笑)。

◎ 先ほどデジタルとアナログをいろいろ聞き分けたりして、以前Q’HEYさん執筆のwavとmp3の聞き分け記事ありましたよね。先ほども同じ検証してみて興味深い部分がありました。

Mixmag Japanのブログにも掲載されて記事のトップレベルのヒット数で。以前ageHaとelevenで同じ曲をwavとmp3同時にポンと出してミキサー同じ設定にして左右クロスフェイドしながら聞き比べるってやって、わかんないわけですよ違いが。ここでもそれやってみたんだけど、最初ちょっとwavの方がリッチな感じで聞こえるのかなと思いきやそれはケーブルが原因で、wavがアナログに繋いでクオリィーの高いケーブル、mp3がデジタルケーブルに繋いだものでの違いだった。繋ぎ直してみて同じ条件にしたらやっぱり違いがわからなかったよね。テンポをぐっと落としたときに初めて若干ストリングスの伸びが必要な音がmp3の方でごくわずか削ぎ落とされてるのかなってぐらい。両方聞き比べて初めてわかったぐらいで。


◎ フロアで聞いてたら、どっちがmp3かってわからなかったです。

今かけてるのmp3じゃんってそういう話には全くならなくて。ファイルフォーマットの違いって全然重要じゃないよね。そう思うとこのカートリッジはその機種によって味が全く違うのでそこって凄いですね。ケーブルの違いでも若干わかったんだけど、それ以上にカートリッジの違いだけで表情が全く違う。


◎ これだけ機種での違いがあるとそのシーンによって使い分けができますね。アナログが持ってる可能性を。

その日どういう音を現場で出したいかとか、これはエンジニアにとってもトライすべき要素がいっぱいあるし、DJ側もそうだし、箱側にとってもそうだし。とにかくこれだけ同じ会社の製品で音が全く変わってくるんだから、カートリッジっていうものがクラブやパーティー全体にとっていかに重要な役割を果たすかとひしひしと今回再認識できたなと。


◎ アナログが再燃しているなかでのこの針のリニューアルってことで、更に今後面白い展開になっていくんではなかろうかと思います。

そうだね。楽しみだね。

◎ その他アナログや針の面白い話ありますか?

カートリッジの面白いところって、僕ら3台使いをしててそのうちメインでかけてるレコードをポッて上げちゃうことがあるんですよ(笑)。


◎ ハハハ、自分もあります(笑)。針を2つ3つタンテに落としてると途中わけわかんなくなるときありますね。

そう!それでミックスし終わってスピーカーに出てる音の針を上げてしまう(笑)。ジェフミルズなんかも動きが早いもんだから、針上げて後ろ向いてレコード選びだした時に、あっ!!って。普通上げた瞬間気づくじゃんと(笑)。これCDJだったらイジェクトボタンを押したらウィーって出てくるから、もう一度押さなきゃならないし、起動にどうしても時間がかかる。今のUSBでもCUEボタン押しちゃったら、あっ!ってなってからまたもう一回最初からスタートになるけど、レコードって付近の途中からかけれるからリカバリーが早い(笑)。あっちゃいけないミスなんだけど、あった場合に一瞬、あっっ!てなりながらもポッてまた置いた瞬間、バッ!!て沸いたり盛り上がったりするんだよね。そのサプライズというかアクシデントなライブ感で。デジタルでそれやるとごめん!みたいな感じでシラケるというかまた最初っから始めなきゃならないし。


◎ それがアナログの醍醐味というかライブ感ですよね! ぜひQ’HEYさんのアナログセットをこの針で見たいです。

そうですね。やります。針って消耗品だから生ものだし、レコードもそうだけど使っていくうちにどんどんコンディションが落ちていくもので、針を使い切ったときは音が変わってきて新しいものに交換したらまたいい音がでる。やっぱり人間味があるというか手で触る温かみがここにはあるのではないかなと感じます。


◎ オルトフォンは今年創立100周年を迎えます。是非メッセージを頂けると幸いです。

もちろんオルトフォン製品が歴史的に見てもカートリッジだけではないと思うんだけど、僕らDJにしてみたらオルトフォン=カートリッジなんですよ。社のマーケット的にはどこは一番広いのかは存じ得ないところがあるんだけど、こうしてまたアナログレコードでDJプレイするって風潮が再燃してきてるなかでのこのリニューアルなんで、次の100年に向けてのいいスタートが切られたんじゃないかなと。これからもウォッチしていきたいと思います。おめでとうございます。


◎ これからの展望をお聞かせください。

今年はですね、僕がやり続けてるパーティー”REBOOT”が20周年なんですよ。3/10に20周年パーティーをCONTACTで開催します。そこを皮切りに20周年ツアーを何箇所かでやる予定ですね。制作部分に関しては、いくつか声かけてもらってるんだけど、ポンポン作っていく多作なタイプではないので時期とタイミングによってかなと。


◎ 本日はありがとうございました。

Interview & Written by TETSUJI TANAKA

撮影協力 by CIRCUS TOKYO http://circus-tokyo.jp/

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